平成１２（２０００）年、祖母が亡くなったのにともない、母家が解体されることになりました。
この家は、昭和３５（１９６０）年、それまで大井町に住んでいた祖父が、いたく気に入って購入したのですが、建築されたのが大正末期とのことですので、解体まで、ほぼ４分の３世紀を経ていたことになります。
もともとは、当地の旧家の別邸として建てられたとのことで、随所に田舎家というか山荘風の趣向を凝らした建物でした。
少し変則的ではありますが、ここのホームページの性格上、まず構造関係から。
なお、構造にご興味のある方は、後日、解体中の写真
公開予定ですので、そちらもご期待下さい。
解体工事開始が迫ったある日、母家の北西にある「離れ」の壁を解体し、中を調べてみました。
旧いといっても、関東大震災後の建物ですので、わずかばかりですが、土壁のところに筋かいも入っていました。
長期間が経過したことによる筋かい材の縮みを考慮に入れても、頼りない仕口（接合部）です。
今は、筋かい材の端は、柱と土台（あるいは梁）との接合部に取り付けますが、このころは、土台・梁と柱との接合部が筋かいの力で壊れるのを恐れて、このように、少しずらして、土台や梁の側に取り付けるのが主流だったようです
これも、旧いタイプの、壁の中にＫの字型に入っているすじかい
この「Ｋ筋かい」は、今では「利かない」というのが定説です
押入れの天井板をはずして、覗いてみました。
棟木の下
太い小屋束と梁が母屋（もや）を支えています
母屋は３寸角と、屋根の大きさ・重さからすると意外に細かったので驚きました
なお、斜めの材は、桁行き筋かいですが、右の板材の方は後から補足したものかもしれません
↑の写真のやや下の方
昔風の丸太梁です
その下の白っぽいのは断熱材で、当然のことながら、後から、高齢になった祖父・祖母の防寒のために入れたものです
