Ｑ２．相談にゆく前に自分で準備したり調べておいた方がよいことがありますか？

　A2-3. できれば写真をたくさん撮って持って来て下さい

もともと、人間は、写真を撮るというと、撮りたいものしか撮らないのが普通のようですが、写真を資料として使おうとすると、それでは足りないことが多いのです。

「問題のある部分」の写真を撮った後は、

• 少なくとも、問題のある部分が、建物あるいは部屋の中のどの場所にあたるのかがわかるような、やや遠くから撮った写真が不可欠です。
• 雨漏りの場合、部屋の天井のシミの写真など屋内の写真を見ただけでは、その原因とか、どこから雨水が入り込んできているのかなどは、まず絶対にわかりませんので、家の外側の写真も撮って下さい。

  　そのときは、屋内で雨が漏れている場所のちょうど外側にあたる部分をある程度集中的に撮ったあと、その周囲の写真も撮っておく必要があります。

  　ある場所から建物に入り込んだ雨水が、梁などを伝わってかなり離れた場所から屋内にしみ出していることあるからです。

• 敷地を含む建物の全形がわかる写真、周囲の地形や家並みがわかる写真などがあれば、敷地の地盤の強さなどを判断するために有効です。

また、たとえば、建物の基礎に瑕疵（欠陥）がある場合には、これから建物が徐々に不同沈下（不等沈下）してゆき、それにともなって、建物が徐々に変形してゆく場合があります。

そのような場合には、今の時点では問題が生じていないところでも、その写真が残っていれば、将来その場所に問題が起こったときに、それが写真を撮った後で生じたものであることを証明する重要な証拠となることもあります。

プロの写真家は、数百枚撮って、そのうち１枚が作品として使えれば上出来というつもりで写真を撮っています。

そこまで極端な場合ではありませんが、もともと、フィルム代にしても、写真の現像代にしても、建物の値段に比べればタカが知れていますし、また、問題が起こる前や大きくなる前の状態を明らかにする１枚の写真が残っていたために、お金のかかる調査をしないですむこともありますので、決して、写真代や手間を惜しまず、むしろ「フィルム１本のうち役に立つ写真が１枚あれば儲けもの」くらいに考えておいてください。

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